ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~


翌日目が覚めると、まだぐっすりと寝ている遼さんを起こさないように布団から出て、洗面所に向かう。
鏡に映った自分の顔に「おはよう」と告げると、着ているパジャマを脱ぎ洗濯機を回した。
そのままリビングに行きソファーに畳んでおいてあったパーカーチュニックとデニムスキニーを穿くと、小さな音でテレビを付けてソファーに腰を下ろす。

「もう12時過ぎてるんだ」



昨晩の店は大盛り上がり。
いろんな店の店主さんたちが自分の店の料理などを持ってきてくれ、飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎ。いったいここは何の店? 状態になってしまい大変だった。

それを知らずに来たお客さんは、最初こそびっくりしていたけれど、そのうち雰囲気にも慣れ一緒にお祝いしてくれて、何とも楽しい時間を過ごすことが出来た。

私は皆さんの話し相手をしていただけだからいいが、遼さんは店もしながらの相手。かなり疲れたんだろう。
四時過ぎに店を閉め三階に上がるとそのままベッドに倒れ込むと、まるで死んでるかのように寝てしまった。
さすがにそれでは苦しいだろうと、上着とズボンを脱がせるのは一苦労。
それでも何とか脱がせる終わると、何故か寝ているはずの遼さんにぎゅっと抱きくるめられてしまう。

「りょ、遼さん? 離して欲しいんだけど……」

「スースー」

あれ? 寝てる?
嘘でしょ!?
寝ぼけてやってしまったこととはいえ、これでは抱きまくらだ。
しかし遼さんの抱きしめる力は思ったよりも強く、体を動かすことすらままならなかった。

「しょうがないか」

諦めて溜め息をつくと私も急激に眠気に襲われ、目を瞑ったと同時に深い眠りへと落ちていった。