ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~


遼さんが目を潤ませ顔を寄せてくる。
唇がおでこに触れると、そこから水面が波打つように身体全体へと幸せが広がってゆく。

「梓と出会えて良かった。大好きだ……愛してる……」

その言葉とともに、唇を塞がれる。

「っん」

いきなり私の何もかもを奪うような激しいキスに、思考が思うように働いてくれない。
身体の力が抜けてきて足元もふらつき始めると、チュッと吸いながら唇が離れる。
思わず「えっ?」と心の声を漏らしてしまうと遼さんの顔が妖艶に微笑み、次の瞬間フワッと身体が浮遊感に襲われた。
足元が頼りなくてその不安から、目を瞑り必死に何かにしがみついた。そしてゆっくりと目を開けると、真ん前には遼さんの顔があって……。
またしても、遼さんにお姫様抱っこされているのだと気づいた。

「な、何でお姫様抱っこなの?」

「いや、梓の身体が冷たいからさ。一緒にお風呂入って、身体を温めない?」」

「一緒にって、ないないっ!」

いくら男性に裸を見せるのが初めてじゃないといっても、遼さんといきなりお風呂は無理でしょっ!?

遼さんの腕の中、一人あたふたしている私をよそに、スタスタとバスルームまで運んでしまう遼さん。
さすがに身体を洗っている姿は見られたくないと懇願して、遼さんには私がOKサインを出してから入ってきてもらうことで手を打った。