「ほんとに梓は可愛いなぁ。言ったでしょ、俺がいるから大丈夫って」
「そ、そうだけど……。って言うか、私、可愛くないし……」
「まだそれを言うかなぁ~」
俯く私の顎を掴みグイッと上げたかと思うと、間髪を入れずに唇を重ねてきた。
「……んっ……」
頭の中は大パニック!!
遼さん、どうしちゃったっていうの!?
目の前には、お兄さんが腕を組み怖い顔してこっちを見てるんだよ?
口が塞がっていて喋れないから全身を使って伝えてみるが、全く止めてくれそうな気配がしない。
それどころか、重ねている唇を一層深くしてこようとするから困ってしまう。
それでも何とか、呼吸をするため一瞬唇を離した隙に手で阻止すると、納得いかないような顔をして私のおでこを小突いた。
「まだ完璧じゃないけど、充電出来たか。さすがは梓パワーだ」
「は、恥ずかしいこと言わないでよ……」
「梓は力が漲って来ない?」
力が漲るどころか、身体中が熱くて仕方がない。もうそれは、恥ずかしさを通り越して、快感をもたらしていた。
真っ赤な顔をし潤む目で遼さんを睨むと、満足気に微笑んだ。
「兄貴。俺にも絶対に守らなきゃいけないものが出来たんだ。もう昔の俺じゃない。やれるもんならやってみろっ! 俺の命に変えても、梓のことは守ってみせるっ!!」
状況が状況なのに、遼さんのちょっと臭いセリフに吹き出しそうになってしまった。
でもこの私が、こんなセリフで守ってもらえる日が来るなんて……。
夢じゃないよね?───
こういう場面でよくやる定番。頬をおもいっきり抓ってみた。



