「お前の好きにはさせないっ。いい加減気づけよ。小野瀬に生まれた以上、お前に自由は無いんだよっ!!」
「だから、それが勝手だって言ってるだろっ!! 今更、俺の人生に首突っ込むの止めてくれないかっ?」
「出来ん相談だな」
「そうよっ! 私との結婚はどうしてくれるのよっ!」
いきなり口を挟み怒り心頭のあずみさんを見て、面倒臭そうな顔をする遼さん。それを見て奥さんが透かさず動いた。
「あずみさん、あっちのお部屋に行かなくて? 美味しいケーキがあるの」
そう言いながら私たちにウインクしてみせると、「え? え? でも……」とこの場に残りたそうなあずみさんを無理矢理連れて行ってしまった。
やっぱりあの奥さん、ただの天然奥様じゃなかったっ!
機転を利かせての行動は、さすがとしか言い様がない。
奥さんとあずみさんがいなくなった部屋は、今まで以上に緊張に包まれる。
遼さんが私の顔を見て、目で言葉を伝え頷く。
─── 俺がいるから大丈夫───
私はその言葉に、大きく頷き返した。
もう何があっても逃げない。ウジウジする自分とは、もうおさらばだ。
遼さんの横にしっかり立つと、遼さんの手をギュっと握った。



