ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~


「私も……遼さんと幸せになりたい……です」

今にも泣き出しそうな私の横に、陽子さんが座る。
そっと肩を抱かれると、堰を切ったように涙が溢れた。

「今の遼ちゃんなら大丈夫。私達が保証するわ。だから、梓ちゃんからも遼ちゃんに寄り添ってあげて」

「あいつには君が必要なんだ。よろしく頼むよ」

二人の励ましと応援に後押しされ、すぐに遼さんのいる店へと急いだ。


行きはあっという間だった道のりも、帰りはもどかしいほど時間が掛かっている気がした。
遼さんに会いたいと思う気持ちが、そうさせているのかもしれない。

時刻を確認すると、まだ準備中の時間。
一度家に戻ろうかと思ったけれど、今は一分一秒でも早く会いたくて、直接店へと向かった。
一週間ぶりに会えるかと思うと、胸の高鳴りは尋常ではなく、周りの人に音が聞こえてしまわないかと心配にさえもなった。
見慣れたホームに降り立つと、猛ダッシュで階段を駆け上がる。
登り終えるとさすがに息が切れ、膝に手をついて息を整えた。
通り過ぎる人の目線も、今の私はは全く気になることではなかった。

「よしっ」

まだ息は落ち着いてなかったが一気に改札を抜けると、地上へと出る階段をもう一度ダッシュで駆け上がった。