真規子と竹中さんのナイスプレイで、私は撃沈。
は、嵌められた……。
力なくソファーに沈むと、がっくり項垂れる。
「そんな恥ずかしがることないでしょ。四年前は毎日のように『彼があんなことしてきた』とか『こんなエッチなことしちゃった』って自分から話してたくせにっ」
「あああーーーっ!!! 何にも聞こえなーいっ!! それ誰かと間違えてませんかぁー?」
耳を塞ぎ、訳の分からないことを叫ぶ。
枝里はどうして、そんなどうでもいいようなこと覚えてるのかなぁ……。
キッと睨むと、「まぁまぁ落ち着いて」と慰めれられた。
「落ち着きなくすようなことを、枝里が言ったんでしょっ!!」
憤慨してみせると、アハハッと笑い飛ばされる。
「その勢いで、遼さんにドーンとぶつかってみなよ。遼さんも今はちょっと迷ってるだけで、隠し通そうと思ってる訳じゃないと思うよ」
「う、うん」
「ところでさ、遼さんと何があったの?」
あれ? 話してなかったっけ?
恵介くんが用意してくれた冷たい水を一杯飲み干すと、昨日あった出来事を簡単に話した。
「ふ~ん。お兄さん何やってる人だろうね」
真規子が竹中さんの顔を覗き込む。
今度は、竹中さんが私をまっすぐ見据えた。
「その彼氏の名前は?」
「うん? 小野瀬遼だけど、何か?」
「小野瀬……。まさかね」
そう言うと、言葉を止めてしまった。



