君のいる世界





ーーーーーーー・・・


翌朝、いつもの時間に目覚まし時計が鳴り響いた。


憂鬱な一日の始まりを告げる目覚まし音が、今日はそれほど嫌に感じない。




私は目覚ましを止めてベッドから降り、鏡を見た。



「酷い顔…」



鏡に映る自分の顔を見てため息を漏らした。


昨日なかなか寝付けなかったせいか、目の下は隈が出来て瞼が腫れぼったい。


血色も良くないし。


こんな顔じゃ、会長に会えないよ…




「って私…どうして会長のことばっか…」



昨日の会長の熱い瞳を思い出し、一気に心臓が煩くなる。


私は頭の中から会長を追い出すように頭をを左右に振った。


それでも会長は頭の中から消えることはなく、どんどん存在が大きくなっていく…




昨日の夕方まではそんな風に思わなかったのに。


今、凄く…会長に会いたい…




ドキドキする胸を落ち着かせるように小さく深呼吸をして、身支度を始めた。


制服に着替えて髪を櫛でとかし、胸の下辺りまで伸びた髪を後頭部で一つにまとめる。


それを緩く巻きつけてピンで器用にとめ、お気に入りのピンクのシュシュを付けた。