こ、この人…今、宜しくするつもりはないって…そう言ったよね?
「…それは…どういう事、ですか?」
「言葉の通り。…お前、言葉の意味もわからないわけ?」
「そ、そういうことじゃなくて!!私、貴方に何かしましたか!?」
「…俺、嫌いなんだよね。お前みたいな女」
頭の中で中澤さんの言葉が木霊する。
嫌い…?
お前みたいな女…!?
プツンっと頭の中で何かが切れる音がした。
「…ちょっと、待ちなさいよ…」
自分の声とは思えないぐらい低い声が喉を震わせる。
わなわなと込み上げてくる怒りを、拳にギュッと握り締めた。
席を立ち、何処かへ行こうとしていた中澤さんがピタッと足を止める。
「何でさっき会ったばかりの貴方にそんなこと言われなくちゃいけないのよ!?冗談じゃないわ!!貴方に“お前みたいな女”だなんて言われる筋合いないわよ!!」
何なの!?何様なの!!?
お前みたいなって、貴方に私の一体何がわかるって言うのよ!!

