君のいる世界





冷え切った唇に、とろけるような甘いキスが落ちる。


その瞬間、身体の細胞が一気に震え、全身で好きだと叫んでるような不思議な感じがした。




「麗奈も人の事、言えねぇな」



「え?」



「ロマンチストってこと」



「だ、大輝の方がーーー…!!!」



大輝は私の反論を最後まで聞かずに、耳元に唇を寄せてきた。




「赤くなっちゃって可愛い奴」



そして、わざと息を吹きかけるように意地悪く囁く。



「…っ!!!!」



公園内に私の声にならない叫びが響いた。









君のいる世界は、どこよりも甘くて、暖かくて、輝いていて。



私はもうここから抜け出せそうにない。









「麗奈、愛してる」







ーENDー