佳菜子に頬を思いっきり叩かれた時、「ああ、生きてる。私は私なんだ」って思った。
大輝が誕生日パーティーの日に迎えに来てくれた時、「この人とずっと一緒に生きていきたい」って思った。
存在価値も生きてる意味も、今も正直よくわからない。
よくわからないというか、言葉にするのは至極難しい。
結局は私一人がいなくても世界は周り続ける。
社会には何の影響もしない。
だけど、私がいなくなったら泣いてくれる人達が少なからずいる。
トミさん。
康君。
おばあちゃん。
お父さん。
お母さん。
佳菜子。
大輝…
私は、私の為に涙を流してくれる皆を悲しませない為に、
皆の笑顔を見る為に、
皆と幸せになる為に、
これからも精一杯に生きていく。
きっと、精一杯生きた先に、その答えは待ってると思うから。

