「…すげぇ…嬉しい……」
頭上から大輝の掠れた声が聞こえた。
それは、涙が混じった甘い声。
「大輝…大好き」
大輝の熱く揺れる瞳が私を捉える。
引かれ合うようにゆっくりと顔を寄せ、瞼を降ろした。
この一年、たくさんの事があった。
去年の今頃は毎日が憂鬱で、時間が過ぎて行くのをただ待っているだけの日々。
だけど大輝と佳菜子に出会って、私の世界は一変したんだ。
初めて知る色んな感情やそれに振り回される自分に戸惑った時期もあった。
でも何にもない自分より、楽しい時は笑って、悲しい時は泣いて、そんな自分の方が何倍も好きだって思えた。
“自分の存在価値って何?”
“何のために私は生きてるの?”
頭の中を支配していた疑問。
何度問い掛けても答えは見つからなかった…

