君のいる世界





「プリムラ・ジュリアンの花言葉は【永続する愛】、そして【運命を開く】。これからは二人で運命を開いていこう?」



「麗……奈…」



大輝は私の言葉に目を見開き、口をあんぐりと開けて驚いてる様子。


そんな間抜けな表情すら愛おしい。




「プロポーズの返事、まだしてなかったから。全て終わったら返事しようって思ってーーーーー…うわっ!!!」



急に勢いよく身体を引き寄せられ、ボスッと大輝の腕の中に収まった。


温かい大輝の体温で、冷えた身体がほっこりしてくる。




「……」



「大輝?」




大輝は何も言わない。


ただ腕の力を強め、だけど優しく私を抱き締める。




今は何も感動するようなこと言われてないのに、何故か鼻の奥がツンとして涙が滲んできた。





ああ、これが幸せってことなんだ。


言葉なんていらない。


この人がいてくれるだけで、私は世界で一番幸せな女の子になれる。