君のいる世界





「母さん、嬉しいわ!早く孫の顔、見せてね」



「…っ!!!お、おばさん!!」



カァッと顔や耳、首筋までもが熱くなる。




ま、ま、ま、孫…って…


私達、まだそこまでいってないのに…


ってそういうことじゃなくて、まだ高校生なのに気が早過ぎというか…




全くもって未経験で免疫のない私にはちょっと…いや、だいぶ刺激が強過ぎます…!!




「ったく!母さん、からかい過ぎ。ちょっと外の風に当たってこの顔直してくるわ。時間までに戻るから」



大輝はそう言うと、ハンガーに掛けてあった二人分のコートを持ち、私の腕を引いて玄関に向かった。





家を出ると、突き刺すような風が頬を撫で、思わず身を震わせた。


指を絡ませるように手を繋ぐと、冷えた指先がほっこりと暖まってくる。




「ようやく赤み引いたな」



大輝が私の顔を覗き込んでくる。


急に間近に現れた端正な顔に、胸がドキッと跳ね上がった。