「クリスマスの日、テーマパークで親子が肩車してるのを見て、親父に肩車してもらったこと思い出したって話しただろ?あのキャンプで一緒に遊んだ女の子が誰だか思い出せなくてな」
「覚えてなくても無理ないわ。二人はまだ4歳だったから」
おばさんは写真を懐かしむように見ながら、当時の話を色々と聞かせてくれた。
「これ見て。麗奈ちゃんの左手の薬指」
写真の中の私は、大きい蒲公英の指輪を嵌めて照れたように笑っている。
それはまるで婚約指輪のようだった。
「これね、大輝が作って嵌めてあげたのよ?」
「…っ!!ゲホッ…お、俺が!?」
大輝は驚いて思いっきり息を呑み込んだのか、噎せながら言った。
「可愛かったわよ〜!ぼくとけっこんしてくれる?って顔を真っ赤にしながら言ってたんだから。でも、まさか現実になるなんてね」
おばさんは私が嵌めてる大輝から貰ったダイヤの指輪をチラッと見て、ニヤッと悪戯な笑みを浮かべた。

