君のいる世界





お言葉に甘えて少し上がらせてもらうことにした私は、お母さんと琴音ちゃんの後に続いて玄関を入った。




ーーーーードタドタドタ!


「お姉ぇ〜ちゃ〜ん!おかえり!!」



「ただいま」



階段から駆け下りて来たのは5歳ぐらいの男の子と8歳ぐらいの女の子。



「この人だぁれ?お姉ちゃんのお友達ぃ?」



「そうよ、二人とも挨拶は?」



琴音ちゃんがそう言って二人の背中をぽんっと叩くと、二人は声を揃えて「こんにちは」と白い歯を見せて笑った。



「こんにちは。谷本麗奈です。宜しくね」



「麗奈お姉ちゃん、遊ぼー!」



「ままごとしよ!琴姉ちゃんも、早く!」



二人は私と琴音ちゃんの腕をぐいぐい引っ張って二階に連れて行った。






「うわ〜、もう駄目!」



「えー!麗奈お姉ちゃん、次は対戦ごっこだよー」



8歳の女の子は春音ちゃん。


5歳の男の子は大和君。




二人はまだまだ元気が有り余っていて、私はもうヘトヘト。