「私も…お祖母様とずっと向き合わなくてごめんなさい。お祖母様の気持ち、凄く嬉しかったです。歪んだ愛と仰いましたけど、でもそれだってれっきとした愛情には変わらない」
私は自分の手の甲に添えられた祖母の手を包み込むようにギュッと握った。
冷え切った指先と、カサカサな肌。
今まで温めてこれなかった分、これからは私が温めるから。
「私を愛してくれてありがとう。おばあちゃん」
祖母の潤んだ瞳から再び涙が零れ落ちる。
こうやってお互いを思い合って視線を重ねたのはいつ振りだろう。
やっと、祖母の愛に溢れた笑顔を見ることが出来た。
私はいくら馬鹿だって言われても、やっぱり祖母のことは心の底から嫌いにはなれない。
「中澤さん。この度は、とんだご無礼を致しまして誠に申し訳御座いませんでした」
祖母は涙を拭うと大輝に向き直り、畳に手をついて頭を下げた。

