さっきまで生徒の声で騒がしかった学園は、授業が始まりすっかり静かになった。
私達は校舎裏の日向になっている芝生に座り、指を絡めるように手を繋ぐ。
「落ち着いたか?」
「うん。もう平気」
抱き締められながら泣いている時、ずっと大輝の胸の鼓動を聞いていた。
少し速い胸の音は、私は安心させて…
やっぱり私の居場所は大輝の隣りなんだって改めて思った。
「そういえば、大輝はどうしてここに来たの?」
「ああ…麗奈に話があって探してたら、校門の前に集まってる奴らが裏門の方に行ったって教えてくれて」
「そうなんだ。話って何?」
「…昨日の夜、朱美さんと琴音が弁当屋で起きた事を全部話してくれたんだ。二人ともずっと元気ないし、麗奈の名前出すと妙に慌てるし。麗奈は麗奈で携帯繋がんなくなるし。俺の知らない所で何か起きてるってすぐ気付いた。極め付けは年明けに公園で麗奈と話した時。嘘ついてるってバレバレで……「「ちょっと待って!!」」
私は大輝の言葉を途中で遮った。

