「佳菜子…ごめん…本当にごめんね…佳菜子を傷付けて…」
佳菜子は言葉の代わりに頭を左右に振って答えてくれる。
「私弱いから…佳菜子に甘えてしまいそうで怖かった。谷本財閥のロボットとして生きてくって決めたのに、決心が鈍りそうで……それなら一層、佳菜子に嫌われればいいって思ったの」
「私、前にも言ったよね?自分を大切にしてって…自分の気持ちに嘘をつかないでって…もう一人で悩まないでよ…私が麗奈の背負った荷物、半分持つから…」
佳菜子の言葉がジワリと胸に…身体中に染み渡っていく。
こんなにも想ってくれる友達がいることがこんなにも幸せなことだなんて、佳菜子と出会うまでは知らなかった。
「中澤さんだって、こんな風に麗奈が犠牲になって自分の家族を守ってくれたって知ったらきっと怒るよ。もっと俺を頼れって」
「…許して、くれるかな?」
「当然!中澤さんは麗奈のこと本当に愛してるもの」
佳菜子は目を赤くしながらも、いつもの優しい笑顔を向けてくれた。

