「麗奈ちゃんは一人じゃない。秘書の柳田さんも、彼や友達も、勿論俺も君の味方だ」
パンケーキが乗った丸い皿の端に、ぽたっと涙が落ちる。
大輝も佳菜子もお母さんも失って、もう何もかもが限界だった…
さっき沢山泣いたはずなのに、枯れることなく次々と涙が溢れてくる。
それは暖かくて、感情が篭った少ししょっぱい涙。
…私はやっぱりロボットにはなれない。
嬉しい時は笑うし、怒る時は怒るし、悲しくて辛い時は涙を流す。
恥ずかしい時には真っ赤になるし、具合が悪ければ唇は青紫になるし、瞬きも呼吸だってする。
弱くて皆がいないと生きていけないけど、私は私。
冷たい機械なんかじゃない。
「…去年のクリスマスーーーー…」
私は時折声を詰まらせながら今日までの出来事を全て話した。
直幸さんは支離滅裂な私の話を、ほっとするような温かい声で頷きながら聞いてくれた。

