君のいる世界





「もう、彼とは関係ありませんから」



私はなるべく平然を装って言った。


直幸さんは本当に優しいから、きっと私を助けようと尽力してくれる。


だけどこれ以上、直幸さんには甘えられない…





「麗奈ちゃんはもう少し我が儘になってもいいと思うよ?自分をもっと大切にしなきゃ」



いつか琴音ちゃんにも言われた言葉。


でも、私が我が儘になったら大事な物が壊れてしまう。


私は大事な物を守りたい、ただそれだけ…




「今、麗奈ちゃんが思ってる事当てようか?心配掛けられない、甘えられない、俺には尚更…そんなとこだろ?」



「……っ!!」



「図星って顔してる。俺は、俺だからこそ頼ってほしいんだけどな」



「直幸さん…」



やめて…


そんな優しくしないで。


自分の感情を押し殺して、ロボットになろうって決めたのに…




その優しさに甘えたくなる。


助けてって泣いて縋りたくなる…