君のいる世界





「すみません!大丈夫ですか!?」



スッと目の前に差し出された手を辿っていくと、女子生徒が心配そうに眉を寄せていた。


私はその手を取り、床に打ち付けて痛む腰を摩りながら立ち上がる。




「あ…はい。私の方こそすみません…ぼーっとしてて…」



「いえ、私が前を見ていなかったんです。本当にごめんなさい」



私の身長は女子高生の平均的な身長だと思うけど、彼女は私よりも小さい。


恐らく身長差は10センチあるかないか…


肩幅も狭くて全体的に華奢な身体。


肌は白くて、胸辺りまである髪は艶めいている。


くっきり二重の大きな目でジッと見られると、女の私でもドキッとしてしまう程可愛らしい。




「あの…谷本麗奈さんですよね?」



「あ…はい」



私が頷くと、彼女は一瞬悲しそうな表情を浮かべた。