君のいる世界





「ゔ…っ、わあぁぁ…!」



友達が必要ないだなんて嘘…


佳菜子は私に光をくれたのに…


本当に本当に大好きなのに…





佳菜子。


ごめんね、傷付けてごめんね…




私は扉に額を当ててその場にしゃがみ込んで泣いた。


涙がコンクリートのゴツゴツした地面に染みを描いていく。


昼休み終了を告げる鐘が鳴っても、私はその場から動けなかった。






どれぐらいぼーっとしていただろうか。


いつの間にか空は茜色が混じり、騒がしかった学園内も静かになっていた。


重い腰を上げて、フェンス側に置いていた鞄を持って屋上を出る。




おぼつかない足取りで階段を降りていた、その時。



ーーーードンッ!!



大きな衝撃の後、力が入っていない私の身体は思いっきり跳ね飛ばされた。


だけど、痛みはそれ程感じない。


今は身体より数倍心が痛い…