二学年初日の放課後。
私は新生徒会委員の顔合わせのため、特別棟にある生徒会室に向かった。
清華学園では、一学年終了時に行われるテストの上位者が翌年度の生徒会委員を務めることになっている。
私は学年二位だった為、副生徒会長に選ばれてしまった。
正直面倒臭いけど、古き学園の決まりごと。
こればっかりは、例え総理大臣の息子でさえも拒否出来ないのだ。
ーーーーギィィィ…
「何…これ…ここ、学校だよね…?」
生徒会室の重い木製の扉を開けると、視界いっぱいに飛び込んで来たのは、学校とは思えない…まるで別世界のようだった。
赤い絨毯にシックな焦げ茶色のソファ。
天井に優雅にぶら下がる大きなシャンデリア。
パーティーでも開かれるのではないかと思うぐらい派手な生徒会室に、一気に嫌気が差す。
「…おい、邪魔だ。どけ」
突然背後から低い無愛想な声が聞こえて振り返ると、扉の前で突っ立ってる私を睨むように見下ろす一人の男子生徒がいた。

