「ごめんごめん。大輝が遅いから、迎えに来ちゃった。ね、お腹空かない?デザート食べようよ」
俺は復活した麗奈の笑顔に怒ることも出来ず、麗奈が差し出した手を指を絡めるように握った。
時刻は19時の5分前。
空は真っ暗になり空気が冷え切った中、テーマパーク内は電飾で煌めいている。
「うわー!綺麗!ねっ、大輝も見て!」
俺達は最後に大観覧車に乗った。
麗奈は窓に両手をついて、食い入るように外の景色を眺めている。
大観覧車にこの時間に乗ったのは狙いがあった。
ここのテーマパークでは、クリスマスの19時ぴったりに大観覧車に乗ってると幸せが訪れるという言い伝えがある。
大観覧車に乗ってる人にしか訪れない幸せ。
その時まで残り5分を切った。

