君のいる世界





「次、あれ乗りたい!」



テーマパークに着くと、俺達は休憩を挟むことなくあらゆる乗り物に乗った。


麗奈は始終楽しそうで、俺はその姿を見るだけで幸せだった。




何年振りだろうか、こんなに笑ったのは。


麗奈が隣りにいるだけで俺の世界は大きく変わった。





「このジェットコースター、日本一怖いんだって。雑誌のランキングに載ってたよ」



人気のジェットコースターの行列に並んでいると、後ろにいるカップルのそんな会話が聞こえてきた。


俺は絶叫系平気だけど、麗奈は大丈夫なのか…?


ちらっと隣りで俺の腕を掴む麗奈を見ると、心なしか元気がないように見える。


それにさっきから会話も少ないし、腕を掴む力が強まってる気がした。




「お前、大丈夫か?」



「へ、平気だよ!楽しみ、だね!」



こいつ、明らかに動揺してる。


多分後ろのカップルの会話聞いてビビったな。




「怖いならやめてもいいんだぞ?」