昨晩は全然寝れなかった。
バイト先の店長が、女はロマンチックなのが好きだなんて言うから…
麗奈が喜ぶ顔を想像しながらあれこれ考えていたら、すっかり外は薄っすら明るくなってたんだよな。
今までの俺だったら女の為にロマンチックな演出するなんて面倒臭くて絶対に考えもしない。
なのに、麗奈の為なら面倒だなんて一ミリも思わないなんて…
俺をこんなに溺れさせるのは後にも先にも麗奈だけだ。
「あ、大輝!!二分遅刻だよ!」
俺に気付いた途端、麗奈はパァッと明るい笑顔を浮かべて駆け寄ってくる。
あー…やばい。
今すぐキスしたい。
ぷっくりとした唇にピンクのグロスが妙に艶っぽくて、俺はごくっと唾を呑み込んだ。
「悪い」
「ふふ。罰ゲーム、覚悟しておいてね?」
罰ゲーム?
ああ、あのメールまじだったんだ。
麗奈は悪戯っ子のようにニヤニヤしながら、「何にしようかな」と罰ゲームの内容を考えている。
ホント、可愛いやつ。

