「いいの…?辛くない?」
「ああ。麗奈がいてくれれば何も怖くない」
「バイトだと、思ってた…」
「んなわけねぇだろ?本当は驚かせたかったんだけど、さっきケーキの予約しようとしてんの見て焦って…もう朱美さんと約束しちゃった?」
私は首を左右に何度も振った。
そっか、大輝は気付いてたんだ。
私がお母さんと食べる為にケーキを予約しようとしていたこと。
だとしたら、だいぶ傷付けたよね…
大輝はちゃんと私と過ごす計画を立ててくれてたのに。
「ケーキは麗奈が焼いてくれんだろ?」
ニヤッと口の端を上げて笑う大輝が愛しくてたまらない。
ーーーーーーーこの時はまだ、あと数日後に起こることなんて全く予想もしていなかった。
ただ幸せで、ある人の動きに気付かなかったんだ。

