「大輝、ごめんね…メール確認しなくて」
私は商店街を抜けた所で思い切って声を掛けた。
大輝の後ろ姿からは怒りのオーラが出ているような気がして、変に声が上擦ってしまう。
すると大輝が急にピタッと足を止め、私は勢い余ってその背中に顔面をぶつけた。
少し低めの鼻が押し潰され、痛みを緩和させるように手で鼻を摩る。
「…俺がそんなことで怒ってると思う?」
「え?違うの?」
「…はぁ。ホント、無自覚なやつ。とりあえず、移動するぞ」
大輝はそれ以上何も言わず、近くに置いてあった自転車に二人乗りして大通り沿いにあるファミレスに入った。
注文を済ませた後も続く沈黙に耐えきれなくなって、頭の中で何か明るい話題がないか探る。
だけど、こんな時に思い付くのはつまらない話ばかり。
自分の口下手な性格に嫌気が差した時、「さっき…」と大輝が小さな声で呟くように言った。
大輝は気まずそうに私から顔を逸らしている。

