「なのに俺…全部あの人の所為だって……」
「…うん」
「誰かの所為にしないと、狂いそうだった…」
「…っ…うん…」
堪えていた涙は瞬きと共に溢れ出し、頬を伝わらずに大輝の服を濡らす。
声を詰まらせながら話す大輝を、私は更に強く抱き締めた。
どれぐらいそうしていただろうか…
いつの間にか空は青色と茜色が混じっている。
風は日中よりも冷たさを増し、露出した肌に容赦無く突き刺してきた。
あれから私は大輝の隣りに寄り添うように座り、頭を肩に預けて海を眺めた。
指を絡ませるように手を握り、お互い何も話さずに。
ただただ時間だけが過ぎていく。
ビュウゥゥ…
今日一番の冷風が私達の間を吹き抜ける。
私は思わず肩を窄めて、大輝に身体を寄せた。
すると大輝は握っていた手を更に強く握り反対の手で私の頭を撫でてくれた。
あったかい…
重なる大輝の身体からは、体温の他にココアのようにホッとする温かい何かが伝わってくる。
この時間がたまらなく好き…

