「はは…俺、ホントだせぇよな」
大輝はそう言って、自嘲するように乾いた声で笑った。
ださくない…
大輝は何処もださくないし、寧ろ素敵だよ。
まだ17歳で遊びたい盛りなのに、自分の時間割いてまでバイトして家計を助けて、家に帰ったら兄弟の世話も家事もこなして。
こんなに家族を愛してる人が、ださいわけないじゃない…
だからそんな風に自分を嘲笑わないで…
「…本当は薄々わかってたんだ。うちの社員だった人達から、谷本社長に関する悪い噂を一つも聞かなかったこと。親父が死んで会社が駄目になった時、うちの社員達を谷本財閥が引き受けてくれたこと…そして何よりも、借金が残らなかったこと。全部…あの人が……」
大輝は項垂れるようにして視線を海から砂浜に落とす。
抱き締めた身体は震え、微かに嗚咽が聞こえる。

