国道の横断歩道を駆け足で渡ると、視界一面に真っ青な海と砂浜が広がる。
「あ、いた!!」
歩道の塀に手を掛けて砂浜を見渡すと、そこに彼の姿はあった。
私はすぐ近くにあった砂浜に続く階段を駆け下り、一歩一歩砂を踏みしめながら大輝に近付く。
ザクザクと足音が鳴る中、大輝は私に気付いてるのかいないのかわからないけれど、ただ振り返ることなく座って広大な海をジッと見つめている。
その背中が泣いているように見えて、胸が鈍器で叩かれたようにドクンッと震えた。
そして私は無意識に駆け出し、両膝を砂浜について大輝を後ろから抱き締めていた。
「大輝…」
こうしないと大輝が消えちゃいそうで、ギュッと強く強く抱き締める。
大輝はピクリと肩を揺らし、「麗奈…」と私の名前を切なげに呼んだ。

