君のいる世界





それを左の掌にのせて、ゆっくりと開く。


すると、中には三枚の皺くちゃになったチケットが包まれていた。


文字は雨で滲み、土のせいか部分的に茶色く汚れている。


微かに見える日付は、五年前のお父さんの命日の次の日。




「じ、じゃあ…親父は……俺らのせいで…?」



消え入りそうな…弱々しい大輝の声。


隣りに並ぶ大輝の目からは無数の涙が零れ、石畳を濡らしていた。


そんな大輝を見ていると、胸が張り裂けてしまいそうだった。




「それは違う。大輝君達のせいじゃない!本来なら裕二が作業を続けると言った時、私が無理矢理止めていればよかったんだ」



「谷本さん…あの人はきっと、いくら止めていても作業をしていたと思います」



お母さんは父親にそう言うと、心配そうに大輝を見つめた。