「確かあの電話で親父は、明後日朝一で帰るから予定開けとけよって言って…俺達は約束破るなよって………っ!まさか、それって…」
「そう。お父さんは事故にあった次の日、作業が休みだったから二人をテーマパークに連れて行くつもりだったの」
私はお母さんの話にハッとした。
それは大輝も同じようで、目を見開き動揺で瞳が揺れている。
「だけど事故の日、突然の豪雨で作業は中止…残った作業は本来次の日にすれば良かったのにお父さんは自分が残ってやると言ったのよ。次の日は、子供達をテーマパークに連れて行きたかったから」
もしかしたら、と予想していた通りの展開に胸が締め付けられる。
お父さんは大輝と琴音ちゃんの幸せそうな笑顔を見たかったんだ。
次の日に作業を回したら、テーマパークに行けなくなる。
だから、作業を止めずに…一人で…

