君のいる世界





「大輝…あのね……「「私が誘ったんだ」」



お母さんの言葉を遮るように、父親がいつもの冷静な口振りで言った。


大輝の片方の眉がピクリと上がり、父親を更に鋭い目付きで睨む。




「…は?どういう事だよ?」



「今日は裕二の誕生日だから…法事の時にしかここに来ないと聞いて誘ったんだ。誕生日はやっぱり、最愛の人に祝って欲しいだろうから」



「…ざけんなよ?お前がそんなこと言う権利あんのかよ!?親父の事故の原因を作ったのはお前だろ!!」



「大輝!!谷本さんに謝りなさい!!」



大輝が一気に捲し立てると、お母さんはそれよりも大きな声で叫んだ。


お母さんの声が私達以外誰もいない霊園に響き渡る。




私は思わず息を呑んだ。


お母さんの眉間には皺が寄り、辛そうな表情をしていたから。