「お前、ちゃんと寝てるか?顔色悪いぞ?」
会長は定位置に座り、私の顔を覗くようにして言った。
「パーティーの日からあんま眠れてなくて…」
「…もしかして興奮して寝れないとか?」
「…っ!!」
私は見事に言い当てられて、一気に顔が熱くなった。
興奮してる理由も…きっと会長にはバレてる。
そう思うと恥ずかしくて会長と目を合わせてられず顔を隠すように俯いた。
「そんなに嬉しかったんだ?朱美さんと再会出来た事」
あれ?会長、誤解してる?
確かにお母さんと再会出来た事は凄く嬉しかったけど、私が眠れなかった理由は会長のあのドラマのような告白を思い出してたからであって…
ふと顔を上げると再び視線が重なり、会長はニヤッと妖しい笑みを浮かべた。
「あ…」
まさか…
私、嵌められた…?

