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『あれ?ここ…何処?』
気が付くと、私が立っていたのは見渡す限りの芝生の絨毯。
所々に蒲公英が咲き、紋白蝶が蜜を吸っている。
少し離れた所には大きなコテージがあり、バーベキューが野外で楽しめる屋根付きの施設も備わっている。
『ここ…前に来た事がある気がする…いつだっけ…?』
あのコテージもバーベキュー施設も、何処か懐かしい。
だけど明確な事は何も思い出せない。
『お姉ちゃんもバーベキューしに来たの?』
突然声を掛けられて振り向くと、幼稚園児ぐらいの男の子が大きな真っ黒い瞳をぱちくりさせて私をジィッと見つめていた。
『えっと…私は…『『ーーー…き君!ママ達が呼んでるよー』』
『あ、麗奈ちゃん!』
男の子から視線を上げると、コテージの方からこっちに向かって一生懸命走って来る男の子と同い年ぐらいの女の子の姿があった。
え…あの子って……まさか、私?

