君のいる世界





私は上半身を少しだけ会長の方に向けて目を見つめる。


間近にある端正な顔に、胸の鼓動が更に激しくなっていく。


それを落ち着かせるように小さく息をつき、薄く口を開いた。





「だ……大…輝…っ……んんっ…!」



名前を呼び終わると同時に、会長は私の後頭部を勢いよく引き寄せ口を塞いだ。


噛み付くような激しい口付けを必死で受け止める。




「…もっと呼べよ。この口で、この声で俺だけを…」



「…っ、ん…大輝……」




会長は唇を重ねたまま私の背中を支えながら、ゆっくりと私をソファに押し倒す。


やがて柔らかくて弾力のあるソファに背中が沈むと、唇を離した。




「あ…」



もっと触れていたい、そんな名残惜しさが胸に広がる。


会長は私に体重を掛けないように自分を腕で支えながら、私の上に覆い被さっている。