君のいる世界





直幸さんなら…今言った事、絶対に守ってくれる。




でも…


でも、私には彼を幸せにする事は出来ない。




本当はずっと会長のことを考えてた。


今何してるのかな、とか…


直幸さんと食事をしていても、電話をしていても、花束を貰っても、綺麗だって言われても。


全部、会長ならなんて言ってくれるかなって…


どんな風に笑うのかなって…


私の中にはいつも会長がいたの。




直幸さんを、会長と重ねてたって…気付いたの。




こんな最低な私に、あなたに愛してもらう資格なんてない。


溢れてきた涙を堪えきれず、次から次へと頬を伝う。




「……ご…ごめっ……んなさぃ……っ、わた…し…」



「…麗奈ちゃん」



直幸さんの手が恐る恐る私の顔に向かって伸びてくる。


あと、数センチで指先が頬に触れる…その時ーーーー。







「麗奈っ!!!」