「…っ、会…ちょ…」
気が付くと、私の目からは涙が溢れソファを濡らしていた。
私の言葉に、会長はビクッと身体を揺らし動きを止める。
「…俺……」
「…ひっく……」
会長はブラウスのボタンを数個掛け、ソファから降りて私の上半身を起こしてくれた。
そして私の後頭部に手を添えると自分の方に優しく引き寄せた。
会長の腕が恐怖とショックで震える私の身体をギュッと包み込む。
ふわりと鼻を掠める会長の匂いと力強い腕の温もりが懐かしかった。
「…どう…して…?」
「……」
会長は私の問いに何も答えない。
私は会長の胸を思いっきり押して会長から離れた。
「もう…わかんないよ……」
そう言って私はソファから立ち上がり、はだけた制服を隠すように鞄を胸に抱いて生徒会室を飛び出した。

