「あ…」
驚きとここに座っている恥ずかしさで言葉が出てこない。
会長を見ることも出来ず視線を逸らした。
気まずい空気が漂い、耐えきれなくなった私は立ち上がって自分の鞄を持ち会長が立つ扉に向かった。
「か、帰るから…そこ退いて」
「…嫌だね」
会長はそう言うと、私の手首を強引に引っ張った。
持っていた鞄が床に大きな音を立てて落ちる。
「ちょっと…痛い…離して!」
私の訴えは会長に届かず、そのままソファに思いっきり身体を倒される。
会長が私の上に跨り、私の両手をソファに押し付けて固定しているため逃げることが出来ない。
「会長…」
「お前は…あいつが好きなのか…?」
「え…?」
すると会長は私に覆い被さり、唇を合わせた。
何度も角度を変えて啄ばむように繰り返される熱いキス。
「…っあ…はあ…」
苦しさのあまりやっとの思いで顔を横に向けて唇から逃げるも、会長はその隙を見逃さず私の口内に舌を滑り込ませる。
逃げても逃げても絡め取られる舌に、身体の力が抜ける。

