「…私のペース、か…康君は待っててくれるかな…?」
「待っててくれるよ。それにやっぱり柳田さんにも時間が必要だと思うの。柳田さんはきっと麗奈に気を遣わせないようにいつもの姿を演じてると思う。でも今は柳田さんの方が辛いはずだから」
佳菜子は「二人が心の底から笑い合える日は絶対に来るよ」と晴れやかな笑みを浮かべた。
その後、昼休み終了の鐘が校内に鳴り響き、私達は急いで広げていた弁当箱を仕舞い屋上を後にした。
午後の授業も午前中と同様、全く頭に入って来ない。
気が付くと教科書はだいぶ進んでいて、先生が今どこの説明をしているかもわからなかった。
もちろん開かれたノートは真っ白のまま。
私は屋上から教室に戻る途中に佳菜子に言われた事を思い出していた。
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「今日は中澤さんに会った?」
「…ううん。何か、怖くて…」

