君のいる世界





もし、私が康君の立場だったら…


今まで通りの関係を続けていたら、なかなか忘れられないと思う。


長い間引きずって、前に進めなくなりそう。


結局、今まで通りだなんて告白を断った方の身勝手な気がする。



「私は、今まで通りにって康君に言われた時断るべきだったのかもしれない」



佳菜子は200mlの紙パックのジュースにストローを刺し、空を見上げながら喉を上下に動かす。



「…私は柳田さんがそれを望んでいるなら、それは麗奈の身勝手ではないと思うよ?確かに最初は気まずくてギクシャクしちゃうかもしれないけど、ゆっくり麗奈のペースで柳田さんと接していけばいいんじゃないかな」



私も佳菜子と同じように空を見上げた。


真っ白い入道雲が地平線からもくもくとら湧き出てきたように、真っ青な空に存在感を示している。


数羽の鳥の群れは入道雲から逃げてるみたいに反対方向に羽をばたつかせ懸命に飛んで行った。