「い、言うから待って！！！」
麗奈は大きな声でそう言って顔を背けた。
俺は麗奈に軽く頭突きをして自分を抑える。
「麗奈が俺に隠し事なんて十年早い」
まだだ。
今はまだ駄目。
焦るな、今まで我慢出来たじゃないか…
「それで、話せよ。何があったのか」
俺は自分の意識を逸らせる為に本題に戻った。
麗奈から聞いた事は正直驚いた。
俺のファンクラブって何だよ…
その連中が麗奈を傷付けただと？
麗奈が俺を学園から遠ざけようとした理由がわかった。
俺が近付かなければファンクラブの連中の熱が収まるって思ったんだろう。
収まれば今後同じ事が起こる可能性は低くなるし。
麗奈が考えそうな事だ。だけど…
「…気に入らないな」
何で俺に相談しないんだよ。
何でも一人で決めて…
俺はそんなに頼りないのか？
そんな大人気ない事を口に出して言えるわけもなく、言葉を飲み込んだ。
