君のいる世界





俺は、頑固な所もあるけど優しくて思いやりがあって向日葵のような笑顔を持つ麗奈に惹かれたんだ。


気持ちを自覚した途端にどんどん膨れ上がる想い。


俺はなるべく距離を取って必死に抑え込んだ。




気持ちを伝えるのは高校を卒業したらでも遅くない。


そう思ってたのに…





俺は次の日、麗奈を起こしに部屋に向かった。


麗奈は鏡に向かって髪をアップに結いていた。


いつも学校に行くだけじゃそんなことしないのに。




露わになった真っ白なうなじには朱色のキスマークがはっきりと浮かび上がっている。


キスマークが付いてること、気付いてないのか?


そもそも髪型を変えたのはその男の為?


表情も心なしか色っぽく見える。




俺の中の醜い嫉妬心が激しく揺れた。


登校中、居ても立ってもいられなくなった俺は確認することにした。



「お嬢様、今日はいつもと雰囲気が違いますね」



「…変、かな?」



「いえ、可愛いと思います」



麗奈は目を見開いて驚いていた。


俺が可愛いなんて言うと思わなかったんだろう。


でもこれが俺の正直な気持ち。


いつもは恥ずかしくて言えないのに今日はすらすらと言えた。