今まで何をしてたのか。
そのキスマークは誰に付けられたのか。
どんな風にして付けたのか。
俺は誰かもわからないそいつに嫉妬したんだ。
麗奈の事は大事な妹だと思ってた。
だけど歳を重ねるごとに子供から大人の女性へと成長していく麗奈に、初めてドキッとしたのはあいつが中3の頃。
正直、中学生にドキドキするなんてやばい傾向だとも思った。
気のせいだと何度も何度も言い聞かせた。
でも俺の心臓はネジが外れたかのように波打つのを止めてはくれなかった。
専属執事になって、親父に今までのように必要以上に親しく接することを禁じられた。
執事は仕事、遊びじゃない。
だからそれなりに距離を取ってきた。
麗奈は少し寂しそうにしていたけど、これは仕方がないこと。
だけど、いつの間にか別の意味で麗奈を遠ざけていた。
麗奈は高校生になって一段と大人っぽくなった。
俺はもう、自分の気持ちを誤魔化せなかった。
大事な妹のはずだったんだ…
なのに、気が付いたら大切な女になってた。

