数日前、俺は親父を問い詰めた。
なかなか口を割らなかったけど俺の粘り勝ち。
案の定、麗奈は今後一切おばさんとは会えないらしい。
これはおじさんではなくお祖母様の意向みたいだ。
掛け布団から出ていた麗奈の手を握った。
まだ弾力があって柔らかい滑らかな小さい手。
裁判で決まったことだとか大人の事情とか、そんなの俺には関係ない。
いつか必ず俺がおばさんを探し出して会わせてやるからな。
「…むにゃ……こぅ君…?」
「起きたか?具合はどうだ?気持ち悪くない?」
「うん。…ここ、どこ?」
「病院。高熱出したんだ。栄養失調もあるらしい。今日は家に帰れないんだって」
麗奈はおばさんが出て行ってから食事もあまり摂らなくなったってトミさんが心配していた。
横たわる麗奈の腕には点滴の管が繋がっていた。
「お母……」
麗奈はハッとした表情を見せて言葉を飲み込んだ。
「ん?どうした?」
「…お父さんとトミさんは?」
確かに今、お母さんって言おうとしたはずなのに。
次に出てきた言葉は違うものだった。

