ーーーーーガチャ、バン!!!
屋上まで残り数段の所で、急に大きな音を立てて屋上の扉が開いた。
一気に白い光が飛び込んできて、思わず足を止め目を細める。
それとほぼ同時に数人の女子生徒が扉から入って来た。
顔は逆光で見えない。
「何なの、あいつ…」
「覚えておきなさいよ!!」
その人達は捨て台詞を吐きながら慌ただしく私の横を駆け降りていった。
あっという間の出来事で何が起きたのかわからない。
その女子生徒達は嵐のように現れ去って行った。
な、何だったの?今の人達…
私はぽかーんと女子生徒が走り去った方向を眺めた。
開いたままの扉から生暖かい風が入り頬を摩る。
そ、そうだ!山下さん…!
こんなボーッとしてる場合じゃないんだった。
私は残りの階段を駆け上がり、屋上に足を踏み入れた。
外は昼休みの時より風が少し強く、雨の前の独特な匂いがする。
青い空と太陽が雲の隙間から時々顔を覗かせるも、天気は怪しい雰囲気のままだった。
屋上を見渡すと山下さんがフェンスに肘を付いて景色を眺めていた。
背を向けていて私に気付いた様子もない。
「山下さん…」
私はゆっくりと近寄り、声を掛けた。

