“姉さん。これから、たけるサンと出掛けて来るょ。”


龍馬が カップにコーヒーを注ぎながら呟いた


“あら、そぅなの…”


どこか 彼女の顔が薄暗くなる


“りょ、龍馬。今日はいいゃ。やっぱ腹減ってないし…お姉さんとゆっくりしてろ…”


俺はこの時 勘違いをしていたんだ…

彼女の表情が曇ったのは、龍馬が出かけるから一人になるのが寂しいからだと思っていたケド…

本当は 龍馬でなく俺が帰るからだと…いう事が…

ヘヘッ(照れ)

それは 後に分かる事になるんだけど…


“あ、あの。じゃあ…。俺帰ります”


“えっ?そぅなの?”
“えっ?そぅなんですか?”

さすが 姉弟だな。言う事がカブってる。


でも、なんだか この二人の深い絆というか…この二人の間に踏み込んではいけない気がした


“また、あいつらに絡まれたら俺が助けに行くから…な。じゃあ、また。”