―情愛―




砂利の混じった唾を吐き捨て


“くぅ。洒落になんねぇな”


独り言のように呟いて 少年を見た


“弱いんですね”


ニカッと 真っ白な歯を出して笑う少年


“笑うなょ。少年”


“…ありがとうございます。”


そぅ言うと 一変して暗い顔になり、立ち去ろうとする


……………………


“少年!…お姉さん狙われてるの?”


“あなたには関係ありません!”


強い口調の背中には 弱さと絶望と どこか強い信念を感じた


“あーあ。運動したら、腹減ったゎ。少年、なんか食いに行かね?”


その少年を ほっとけなかった