“原田!!!!!!!”


どすの効いた低い声


いつもの事だ


背後から 忍び寄って来る 3つの黒い影


ひとつの影は 右側へ


ひとつの影は 左側へ


そして もうひとつの影は 背後へ


こんな事は 日常茶飯事だ


こんな事に慣れたくないけど


慣れたと言ってしまっても過言ではない


…いつから…だろう


地元の高校に入学して すぐぐらいだったかな?

僕のクラスにある噂が流れた


『クラスでも目立たない原田龍馬が 年上の美人と付き合ってる』


そんな 下世話などうでもいい くだらない噂


それは クラスだけならず学年全体に知れ渡り、いつしか学校全体に知れ渡っていた


尻尾や帯びれが付着した噂は 瞬く間に不良達の耳にも入っていた